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公金不正経理 〜行政の裁量権〜

 投稿者:行政書士 金矢健次  投稿日:2008年10月21日(火)17時11分12秒
  通報 返信・引用 編集済
   先週から、報道されている岩手県の補助金不正経理問題について、今の時代に
なっても、一昔前に行われていたカラ出張と同様の不正処理が、今だに繰り返し
行われていたことに、とても驚かされた次第です。
 今回は、我々県民に対して、信用を失墜させた極めて悪質かつ重大な出来事で
すので、かなり辛口で投稿させて頂きました。

 この不正処理が行われる原因として、予算編成の仕組みに大きな要素があると
私自身は感じている。
 2月補正予算の編成では、各部局(各主管課)が当初予算、6月、9月、12月
の各補正予算で策定した事業計画について再度の見直し(予算要求)を行い、
査定、調製後に議会の承認を経て、各部局に予算が措置される仕組みである。
 この2月補正予算は、いわば当該年度の最終予算といってよい。
 この補正予算は、各部局(各主管課)らが、自ら計画を立て直し、最終的に必要
な費用を見積り、国からの補助金や県民の税金を主な財源とする県に要求する仕組
みなため、年度末に残すことは、民間企業や家計などでは常識的には考え難い話で
はあるが、いわゆる「無駄使い」というのが、行政の感覚として現在も残っている
のである。ましてや、せっかく令達された国からの補助金については、「返還する
な!」、「全額使い切れ!」といった感であろう。
 我々納税者は、この「使い切れ予算」により、本来、当該年度に必要でない不要
(無駄)な税金を、コツコツと真面目に納めているのが常態となっているのである。

地元の新聞記事では、
「預け」を行った取引業者は農林水産部で6業者、県土整備部で3業者の計9
業者。1業者のプール金額が最も多かったのは、県土整備部で約1000万円、
農林水産部は約950万円だった。と報じている。
 この記事を拝見し、今回明らかとなったのは、農林水産部と県土整備部の2つ
である。他部(局)でも、補助金に関わらず、一般・特定財源などを併せると、
「預け」をしている部署はまだまだ多数あるのではないかと察せられる。
今後の、県知事の対応、議会、監査委員会、外部監査等の展開に注視し、早期
に解決されることを一県民として期待している。

 昨今、このような行政や個々の公務員の不祥事は、常に耐えない状況である。
 その原因の根幹は、どこにあるか?
 私は、あまりにも行政側に多大な裁量権を与えていることが、その一つではな
いかと考えている。裁量権を与えすぎているため、県民とは違う視線で一人歩
きし、いずれは、外部に言われるまで止めようとしない体質があるのだと思う。
もはや、裁量権を逸脱し、乱用していることすら見失ってしまっている。
適正にこうした権限を行使できる能力を有する者だけに、裁量権は存在するの
だ。能力がない者には、裁量権の付与は極めて危険であり、皆でこれらの者を
保護してやらねばならないのである。

 ふと、私の身近に起きた出来事を思い出しましたので、ご紹介します。

 許認可申請のため、岩手県の某振興局の某部課へ行ったときのことです。
「受付」と書かれた窓口があり、そこに行っても、受付員がいない。作業着の
技師らしい人に、「すみませんが・・・」と言っても、作業中なのか応対して
くれなかった。すぐ、自分の席の方に戻っていった。
受付口から2メートルあるかないか程度の目先まっすぐのところに、期限付職員
の女性(恐らく受付員か?しかし、受付に対応する気がないようだが)がずっと
座っている。陰気で嫌な想いにさせられた受付口であった。まさしく、「閉ざさ
れた行政」というキャッチコピーが、ぴったりの部署であった。今だに、このよ
うな古い体制の部署が存在しているのにも驚いた。
 試しに、何分待ったら、誰が気が付くことか?内部を監察してみようと、わざ
と沈黙し続け、ずっと、受付テーブル前に立ってみました。皆、来訪者を確認し
ようとする態度すら見受けらなく、黙々と何か(仕事でしょうけど)やっている。
こうした体制は、どうやら日常化しているように見受けられた。
 やがて、私の後にも来訪者が並んだので、このまま待つのは迷惑をお掛けするだ
ろうと思い、とうとう誰も出てこなかったので、ついに大きな声で「すみません!」
と言ってやった。
 ようやく、その臨時職員が目を覚ましたかのように出てきた。(同じ島の職員ら
の中には私の目前を言ったり来たりする者もおり、誰か1人位は来訪者に気が付く
まともな人間はいないのかしら?とさえ思わせる、かなり不思議な組織であった。
奥にいる部長か課長かわからんが、この組織の管理体制の情けなさにも、あきれる
ほどで、どのような体制を施されているのか、じっくりと伺いたくさえなった。

 そして、今度は、担当者に大事な書類を提出したときである。提出物の中には、
申請書類のほか申請手数料(現金同様に数万円の証紙)も同封していることもあり、
「今、中身を確認してくれないか?」と強くお願いしたが、担当者からは「他の
業務で滞っているので、今はできない。後で見ておく。」といって、机上に置い
たまま他の業務に取り掛かってしまった。書類や手数料の存否だけでも確認したら
どうだ!と思い、つい「書類の預り証を頂けますか?」と試して聞いてみたが、
「それはやっていないので出せない。」だって・・・これって、裁量権の行使?
私には、ただの怠慢にしか見えない。
 受付の対応の悪さはもとより、このような体制に私は怒りどころか、それを通り
越して、あきれて笑いが込み上げてくるのを感じた。
「確かに、申請手数料○万円お渡ししましたからね!」と念を押して、私はその場を
去った。
 次回は、申請手数料をカラで入れてみようか、とさえ思わせる「受付書類の中身も
確認しない、ふてぶてしい押柄な岩手県の態度」がどうも、気に入らない今日この頃
である。
 どこの企業でも、客から現金を受けたら、当事者立会いのもと、その場で金額を
確認し、領収証を発行するのが、常識人だと私は確信している。後から、確認されて
「足りませんでした。」では話になりませんね。もし、そのようなことが起きたなら、
「確かに渡しましたよ。そちらで紛失したんでしょ。」と言われかねない。岩手県の
信用が損なわれることでだろう。このような、体制が俗に言う、危機管理の甘さって
やつなのですね。ここの部署の担当者はもとより、管理者も本当に大丈夫なのか?

 前述の裁量権に値する話でもありませんが、こうした個々の職員の資質が岩手県
全体の組織の悪化を形成しているのではないか。当然、県民にとって、有益な人材が
育ちにくい。競馬問題もこうした体質がもたらす弊害の一つであり、後には「財政再建
団体への転落」に繋ぎ兼ねない大変重要な課題といえる。

 行政の裁量権は、自らを適切に管理できる能力を有する者だけに与えるべきであろう。
けっして、県民窓口に対応しない者や、客からの現金封筒など(受付書類も当然含む。)
をそのまま机上に放置してしまうような者、また、それらを管理できない者には、我々
県民にとって、とても重要であるこの裁量権を、間違っても絶対に与えてはならない。
机上が整理されていない者ほど、要注意である。
 公金不正処理が二度と起こらないためにも・・・。

 後で気が付いたのですが、前述の某振興局の某部課は、公金不正問題で取り上げられた
部署の関係組織(下級という表現が適当かどうか、判断しかねますので、ここでは関係組
織と表します。)でありました。公金不正処理問題に関連し、関係組織ともに重ね重ね
体質の悪さが伺える、とても嫌な出来事でした。
        「公金不正処理問題を呼び起こした行政の裁量権」  著 金矢健次

※ この問題にご意見等ある方、情報提供等したい方は、どんどん書き込みください。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081021_3

 
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